万葉の花といえば むらさきが連想されます。古代紫は高貴な色として根が染料として重用され広く武蔵野で栽培されました。狭山には天平文化の繁栄に活躍した物部広成がおります。華やかな時代のなかにも慎ましやかな庶民の生活がしのばれます。また、萬葉の昔より今に美しい景観を残す狭山丘陵、古の物語と万葉集東歌武蔵国編に残る大地の匂いがする一対の相聞歌を著わしました。
万葉の昔から受け継がれた美しい里山
狭山丘陵は大海原に浮かぶ緑に覆われた島のように見えます。クヌギ、コナラなどの落葉樹が多く昔から武蔵野の雑木林とともに里山として裾野に暮らす村人の生活を助けてきました。良く手入れされた里山や雑木林は国木田独歩の「武蔵野」に著されているように美しく保たれのどかな生活が営まれてきました。晩秋に家族総出で落葉掃きをし集められた葉は貴重な肥料や燃料となりました。家畜にふませた落葉は お茶や野菜作りに欠かせない有機肥料となり、夏に伸びた下草は刈り取り焚き付けに、大きくなった クヌギやコナラは約20年に一度切られ炊事用、冬の暖房用の薪として使われました。また、五月の茶造りの時は蒸し、揉み、乾燥用の燃料としておいしいお茶作りにおおいに役立ってきたのです。狭山丘陵は万葉の昔より里山として村人と共生することで武蔵野特有の美しい景観を保ち人々に「ほのぼのとした安らぎと自然の恵み」を与えつづけてきました。
武蔵野の花「むらさき」
武蔵野の花といえばむらさきが連想されます。古代むらさきは高貴な色とされ根が染料として重用されました。武蔵野で広く栽培されたむらさきは狭山丘陵の裾野にも白い花を付けあちらこちらに咲いていたことでしょう。狭山丘陵の北西の裾野入間市宮寺には二千年前に創建された出雲祝神社が、所沢市北野には物部神社(現北野神社)所沢市三ヶ島には中氷川神社など多くの万葉時代からの鎮守様が祀られています。万葉時代、入間を治めた大豪族物部氏の長「物部広成」は物部神社の近くで生まれ成長したといわれています。文武に秀でた広成は都で要職につき絢爛たる天平文化の繁栄のために活躍しており、故郷、狭山の里にも武勇と共にむらさきの栽培をはじめ都の風雅の文化を根付かせたことでしょう。
花に託した若い男女の歌
「恋しけば袖も振らむを武蔵野の
うけらが花の色に出なゆめ」
万葉集巻十四の三三七六
「いかにして恋ひばか妹に武蔵野の
うけらが花の色に出ずあらむ」
万葉集巻十四の三三七六
万葉集では額田王と大海人皇子のむらさきの愛贈歌が有名ですが共に、武蔵野のにもうけらの花に託した若い男女の恋歌が残 されています。武蔵野にむらさきが植えられる前の歌だとおもわれます。また武蔵野の何処で詠われたのか不明ですが飾らない素朴な言葉と大地の匂いのする調べは現代の私達に生きる強さを与えてくれる愛すべき歌です。
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