万葉集には所在不明歌ではありますが 狭山丘陵で詠われたのではないかといわれる武蔵野の歌が残されています。この歌と共に古の狭山丘陵の物語を著しました。
狭山丘陵のさらさら
武蔵野のほぼ中央に位置する狭山丘陵からは柳瀬川、東川、不老川をはじめ幾川の名もない小川がたえることなくさらさらと清らかな水を運び野を潤しています。裾野一帯は味のお茶で知られる狭山茶の産地です。丘陵から流れる清らかな水は川霧となり遠近に点在する茶畑を覆い美味しいお茶作りに欠かせない自然の恵みとなっています。柳瀬川の上流は狭山湖、四季折々に武蔵野の風情を湖面に映し市民の憩いの場として親しまれています。その湖底に思いをはせると万葉の昔、豊穣な土地と清らかな水を求め西国より渡り聚り里となり勝楽寺村となり、昭和9年に東京都の水源「山口貯水池」となるまで村人のいとなみが永々と受け継がれてきました。当時は大陸の進んだ技術を持った帰化人の渡来もあり文化の進んだ地域だったそうです。
狭山の自然を愛した歌人
「春の雨けぶる欅のこずえより
おりおり露のかがやきて落つ」
三ヶ島葭子歌集(吾木香)
狭山の自然を愛した歌人に三ヶ島葭子がいます。正岡子規が提唱した自然の姿をありのままに表現する万葉調の歌壇アララギ派の人。丘陵の北(所沢市堀之内)中氷川神社境内に歌碑があり春の雨を詠った歌には自然のいとなみをを繊細に表現する日本人特有の美的情緒「もののあわれ」が感じとれます。
夫を思い詠った歌
「武蔵野の小岫が雉立ち別れ
往にし宵より夫ろにあはなうよ」
万葉集 巻十四の三三七五
万葉集東歌武蔵国編に残る歌は、はなればなれになった夫に早く逢いたいと妻が詠っています。万葉学者土屋文明氏はこの歌の所在は狭山丘陵ではないかと指摘されております。小岫(おぐき)は切通しや丘陵の斜面の小さな横穴。秋から冬にか けて雄同士、雌同士群れをつくって生活することの多い雉子にたくして労役にかりだされたのか防人として旅立ったのか・・・夫を思い詠ったと思われます。
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